ピエゾサージェリー

インプラントには興味があるけど、「骨を削ったりするのが怖い」「神経や血管を傷つけられたらどうしよう」
などと不安に思って踏みとどまっている方もいらっしゃるかもしれません。そんな方にとって、ぜひおすすめなのが 最新の超音波医療機器である、ピエゾサージェリー(PIEZOSURGERY)を使ったインプラントです。

体に優しく、ダメージの少ないピエゾサージェリー

ピエゾサージェリーはイタリアのトマソ・ベルセロッティ教授(Tomaso Vercellotti)によって開発された、超音波により骨を削ることのできる最新の手術器具です。まさに超音波で歯石を取るような感覚で骨を削ることができる、これまでにないタイプの手術器具であると言えます。もともとは脳外科で使用されていた器具を歯科用に開発したもので、その安全性は確立されています。

この手術器具を使うことにより、インプラントのような外科手術において、ダメージを最小限にした、ストレスの少ない、安全性の高い手術が可能となりました。当院でもピエゾサージェリーを導入し、患者様にとって負担を最小限にまで減らした治療を可能にしております。

ピエゾサージェリーの特徴

ピエゾサージェリーは、これまでのインプラント治療の概念を覆すほど、画期的な手術器具だと言われています。その理由として次のような特徴が挙げられます。

1.硬いものだけ切って、軟らかいものは傷つけない
ピエゾサージェリーは、骨や歯のような硬いものだけ選択的に反応し、粘膜や歯茎、神経、血管のような軟組織を傷つけることがありません。例えば、卵の殻をピエゾサージェリーで削ると、殻の内部の膜を一切傷つけずに外側の硬い殻だけ削りとることができます。

2.切削部分の深さや長さを自在に設定できる
ピエゾサージェリーでは、骨を削る深さや長さを詳細に設定することができ、正確な骨の切削が可能となります。薄い骨でも破損させずに高い精度で骨を切削することができます。

3.骨へのダメージが少ない
ピエゾサージェリーでは、超音波振動で骨を削るため、他の骨を削る方法(ドリルやマイクロソー)などのように熱を発生させず、骨が火傷を起こすことがありません。骨の火傷は腫れや痛みなどの合併症を引き起こすため、これは非常に注目すべき点だと言えます。

4.骨密度を高めることができる
ピエゾサージェリーを使うと、骨の密度=骨密度を高めることができます。そのため、これまで骨の状態が良くなくてインプラントができないと言われていた人でも、治療ができる可能性が広がります。

ピエゾサージェリーは患者様にとってこんなメリットが

ピエゾサージェリーを使うことで、患者様にとって、次のような大きなメリットがあります。

1.振動が少なくストレスがない
これまで骨を削るためには主にドリルが使われており、脳天にまで響くような不快な振動が患者様にとって大きなストレスとなっていましたが、ピエゾサージェリーを使用することで不快な振動を感じずに骨を削ることが可能となりました。

2.術後の腫れや痛み・出血が少ない
これまでの手術では軟組織を傷つけることなく手術を行うことはほぼ不可能でした。そのため手術後には大きく腫れたり、強い痛みが出ることもよくありました。ピエゾサージェリーにより、余計な組織を傷つけずに手術が可能となったため、腫れや痛みというような不快症状を大幅に軽減することが可能になりました。

3.治療時間が短い
ピエゾサージェリーは操作性が良く、狭い術野で骨を削ることができたり、無駄な出血を防いだりすることが可能になったため、手術にかかる時間が短縮され、患者様の負担を最小限にすることができます。

4.インプラントと骨の結合、骨造成が早くなる
ピエゾサージェリーは骨にダメージを与えず、骨密度を高める作用もあるため、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)が早くなる効果もあります。

ピエゾサージェリーで広がるインプラントの可能性

ピエゾサージェリーは、特にインプラント歯周外科における骨手術において新たな可能性を次々ともたらしています。ピエゾサージェリーを使うことで、外科的なダメージを最小限にすることができるため、骨の移植後の反応が大変良くなります。ピエゾサージェリーを使った最新のインプラントの例をご紹介します。

■ピエゾサージェリーを使ったソケットリフト

ソケットリフトとは、上顎の奥歯にインプラントを埋めたい場合に、その上方に位置する上顎洞との距離が短く、インプラントを埋めると上顎洞に突き抜けてしまうケースにおいて、骨を造成する手術法です。

●従来のソケットリフト
従来行われていたソケットリフトは、インプラントを埋め込む際に、その上方に位置している上顎洞の底にある粘膜(シュナイダー膜)をオステオトームと呼ばれる棒状の器具をハンマーでコンコン激しく叩いて持ち上げ、それによってできた隙間に自家骨(自分の骨)や人工骨などを入れて、骨を増やしていました。しかし、ハンマーで叩く際の大きな音と大きな振動が患者様にとってかなりの恐怖となっていました。手術時間は約30分前後かかっていました。

●ピエゾサージェリーを使ったソケットリフト
ピエゾサージェリーを使うことで、その超音波振動で上顎洞底部にある膜を傷つけることなく持ち上げて、できた隙間に骨造成を行い、インプラントを埋め込むことができます。ピエゾサージェリーで手術が正確、簡単に行えるようになり、恐怖の振動や音も感じることなく、およそ5分程度という短時間で処置を終えることが可能となりました。

■ピエゾサージェリーを使ったサイナスリフト

サイナスリフトもソケットリフトと同様、上顎にインプラントを埋め込みたい場合に骨の高さが不足しているケースで行われる骨造成法ですが、ソケットリフトをやるには骨が薄すぎてできないケースにおいて行われます。もしくは、複数の歯のインプラントする場合のように、広範囲で骨を作る必要があるケースで行われます。

 

●従来のサイナスリフト
上奥歯の歯肉を大きく切開し、上顎洞の横から骨ノミをハンマーで打ちつけながら骨を割って上顎洞に穴を開け、上顎洞底の粘膜を持ち上げ、それによってできたスペースに自家骨や人工骨を填入して骨を増やします。その後骨ができるまで半年ほど待ってからインプラントを埋め込みます。この方法では、上顎洞に穴を開ける時、かなり大きく骨を取り除く必要があり、ハンマーによる振動が非常に患者様にとって恐怖、不快であったばかりでなく、上顎洞底の膜を傷つけるリスクが高いという問題がありました。

●ピエゾサージェリーを使ったサイナスリフト
ピエゾサージェリーを使った最新のサイナスリフトは、上奥歯の歯肉を切開した後、歯石を取るような感覚で、上顎洞の横壁に穴を開け、上顎洞底の粘膜を持ち上げて隙間を作り出します。そしてその後、その隙間に自家骨や人工骨を填入し半年ほど待ってからインプラントを埋め込みます。ピエゾサージェリーを使うことで、不快な振動もなく、硬組織だけを選択的に削り取り、上顎洞底の膜を傷つけることもなく、安全に手術を行うことができるようになりました。また大幅な時間の短縮ができるようになったことでさらに患者様の負担を軽くできるようになりました。

■ピエゾサージェリーを使ったスプリットクレスト

スプリットクレストは骨の横幅が狭くて、そのままではインプラントを行えない場合に、骨に切れ目を入れて2分割し、クサビのような器具を入れて徐々に隙間を広げ、その出来た隙間にインプラントを埋め込む、という治療法です。

●従来のスプリットクレスト
幅の狭くなった骨を、骨ノミをハンマーで強く叩いて2つに分割し、細いノミから太いノミまで5〜6種類のノミを使いながら、骨を徐々に広げていきます。その後インプラントを人工骨などの骨補填材とともに挿入し、歯茎を縫い合わせます。この時力加減などによっては骨が完全に割れてしまい、うまく行えない場合もありました。また、ノミをハンマーで叩く際、その激しい振動と大きな音が患者様にとって非常に強い恐怖となっていました。

●ピエゾサージェリーを使ったスプリットクレスト
狭くなってしまった歯槽骨を、ハンマーで骨を強く叩くなどせず、ピエゾサージェリーを使うことで、歯石を取るような感覚で2つに分割します。その後クサビのような特殊な器具をその部分に挿入し、徐々に骨を広げていき、インプラントを骨補填材とともに埋め込み、歯茎を縫合します。

■ピエゾサージェリーを使った移植骨ブロック採取

移植骨ブロック採取というのは、インプラントをしたい場所に大幅に骨が足りない場合に、自分の骨を採取し、インプラントしたい場所に移植する方法です。骨の採取場所としては、一般的に、下の親知らず周辺の骨や、下前歯の下方より行われることが多いです。

●従来の移植骨ブロック採取
移植骨を採取する部分の歯茎を切開し、骨を露出させ、骨ノミを骨に当ててハンマーで叩き、骨のブロック(塊)を採取します。その後、インプラントを行いたい部分にそのブロックを移植します。この場合も骨を採取する際に、かなり激しく骨を叩く振動と大きな音が患者様にとって大きな恐怖となっていました。

●ピエゾサージェリーを使った移植骨ブロック採取
ピエゾサージェリーを使って歯石を除去するような感覚で、移植元の骨をブロックで削り出し、移植したい部分に骨のブロックを入れていきます。これまでの方法においてネックであった、激しい振動や音から解放され、ストレスなく移植骨ブロック採取が行えるようになりました。

インプラント以外でも活用されているピエゾサージェリー

ピエゾサージェリーは、インプラント以外でも様々な治療において活用されています。例えば、親知らずの抜歯をなるべく痛くないように行うことができたり、インプラント周囲炎でダメになってしまったインプラントの抜去手術や歯冠長延長術(歯茎を切除、骨を削除して虫歯や歯が割れている部分を歯茎の上に出し、歯をなるべく持たせるようにする方法)、顎の骨の腫瘍切除、顎関節の手術・・etc.などように、使用用途は実に様々です。ピエゾサージェリーによって、患者さんにとってストレスの多い歯科治療が様々な面でずいぶん楽になってきたと言えるでしょう。

あべひろ総合歯科ではピエゾサージェリーの活用をいち早く取り入れてきました。もしインプラントを考える上で不安な点やわからない事がありましたらばご質問下さい。どんな方法が良いかは一概には言えません。どちらが良いかは症例によっても異なりますし、患者様が求められる要望によっても変わってきます。

あべひろ総合歯科では患者さまお一人おひとりに丁寧に対応いたします。スタッフ一同心よりお待ち申し上げます。

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2016年11月25日

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